悔しいけど、最高の本
朝、いつものように広瀬町店へ出勤。
パソコンを起動させようと、ログインボタンに手を伸ばしました。
モニターに付箋が貼ってあるのを見つけます。
「フミヤに本届きます。」
「必ず読むように!テストします。」
「。。。」とりあえず一旦無視しました。
「え!なんだろう!」というワクワク感より、
「うわっ、、絶対めんどくさい本じゃん。」と、最初に悟ったからです。
最後にオータよりって書いてたし。
僕に渡そうとしてくるほどです。
その本を使って、何か改善してほしいと思っているに違いない。
そう頭に余儀りました。
僕はモヤモヤしていました。そして太田さんはきっと今ニヤニヤしているに違いない。
そう思うだけでもなんか悔しかったです。
ただ、モヤモヤしていても仕方がないので、仕事中、何の改善に役立つ本なのか
考えました。
僕の最近の行動から、おそらく3パターンの本が届くはず。
①タスク管理のコツを教える本
②知識に関する本
③文章・文法に関する本
3パターンも上げましたが、要は僕が今出来ていない、能力として足りていないことを、
わざわざ証明したようなもの。辛い。
ちなみにどの本だと思います?
「たぶん、全部じゃない?」とか言わないでくださいね。辛いから。
焦らしてもあれなんで、答えはこちら↓
③を選んだ方、正解です。
おめでとうございます。
「チクショウ。」
腹立たしいったらないですよ。。
タイトルのセンス良すぎなんですよ。
残念ながらその文章では伝わりません?
うるせーわ。
と、僕の小さなプライドが言いました。
「27にもなってこんな本を読むのか」と嫌で仕方ありませんでしたが、
おそらくこれも愛だと、全ての感情を殺し、ポジティブに捉えました。むりやり。
とりあえず1ページ目から読み進めることに。
めちゃくちゃ悔しいです。
面白い。
悔しい。心の底から悔しい。
お昼を食べながら50ページは軽く読み進めていました。
僕の中で何かが腑に落ちませんが、「最高の本です。」
この本を完読して、すぐにブログを書き始めました。
せっかくなので、皆さんにも軽くご紹介します。
著者は、山口拓朗という方です。
この方を簡潔に説明すると、20年以上も文章というカテゴリを、極め続けた達人。
いわば、文章の職人です。
編集者、記者、ライターと、文章に関わることは一通り経験しておられます。
そして、271ページの単行本に20年分の経験を要約しています。
その経験を、おそらく2時間程度で理解できます。
損はないですよね?
とにかく興味を持ってほしいので、本題に入ります。
最初に、完読することで以下の効能を得ることができます。
・伝わない文章が、伝わる文章になる。
・整理された分かりやすい文章になる。
・何を書けばいいか分からない状態から抜け出せる。
・どう書けば良いか分からない状態から抜け出せる。
・読み手に誤解や誤読をされることが減る。
・文章を書くスピードが速くなる。
・人に興味を持たれる文章が書けるようになる。
・文章を書くことへのコンプレックスが消える。
・自分は書ける!という自信がつく。
「そこ克服したい!」という項目が一つでもあれば、是非読んでください。
克服できます。
誰でも、どこでも、どの媒体でも全てにおいて、活かす事ができます。
例えば、SNS。
インスタ、フェイスブック、ツイッターなど、メインとしている内容は違いますが、
「文章を書いて伝える」という部分においては同じ共通点があります。
ずっと行きたかったカフェがあるとします。
しかも、あまり知られていない隠れ家的な場所。
SNSで発信して、少し優位性を取りたいと思ったときに、
情報が散漫しすぎて、うまくまとめられない。
結局、とにかく伝えたいことを全部書いてしまい、読み手目線に立っていないこと
ありませんか?
文章=相手に伝える手段
これが常に頭の片隅にあるのか、ないのかで、文章の構成は180度変わります。
そして、文章を書く上でも原則があります。
文章を書く際は「一文一義」を守ることです。
一文一義とは、句点「。」が打たれるまでの“一文“に盛り込まれる情報は一つだけ。
という意味です。一文が長くなると、情報もバラバラ、主語と述語の関係性もうまく成立
しなくなります。よって文法にも、不具合が生じます。
当たり前じゃん?
知っているよ、そんなこと。
なんて思った方、知っているだけで活かされていますか?
おそらく、普段からあまり文章を書かない方は、
満足気に文章が書けたとしても、文法、文章的には全く違う意味になっていたり、
気づいていなかったりしているものです。
まさに僕はその1人です。
いや、でした!
このブログをきっかけに変わります。
文章を書く前に、意識しておくべき内容を把握していれば、書くことなんて簡単です。
意識しておくこと、それは「ターゲット/ 目的」です。
これは絶対に必要です。
誰に向けた文章で、何を目的にしたいのか明確にする必要があります。
それが1人なのか、複数なのか、性別なのか、年齢なのか。
何を伝えたいのか。
目的が明確になると、言葉の使い方や語尾に注意して書くようになります。
例えば、僕は社内のECサイトで、家具や雑貨を販売しています。
その際に、商品の説明書きをよく書いていますが、なかなか文章がまとまりませんでした。
できないことは後回しにしてきた人生です。
ついに、ツケが回ってきました。
どうしてかと考えると、やはり目的が明確になっていない事が原因でした。
その内容があまりにも薄く、方向性の違う内容ばかり書いていたため、
なんとなく書いてあることは分かるけど、「だからなに?」と、
聞き返されそうな内容ばかり。
以下は、最近書いた家具の説明欄から抜粋したものです。
商品名:スチールワゴン
<改善前>
「インダストリアル好きには特におすすめなアイテムです。
作業台としても程よい大きさですので、活用の幅も広く、シンプルにご使用いただけます。
様々なシチュエーションで一役買ってくれますよ。
<改善後>
無機質な素材はクールな印象を与えます。
モノトーンをベースとしたお部屋に、馴染みやすいお品です。
使い方としては、レンジ台や作業台におすすめ。
家電、調理道具、食器など、スペースを必要とするキッチン周りでは、特に役立ちます。
改善後は、この本を半分読んだタイミングです。
もうすでにいいと思いませんか?
明らかな違いはお分かりいただけると思います。
ここで注意した点はいくつかありますが、まずは目的。
モノトーンが好きな方、どんな使い方をしてほしいのか。
僕は商品を見たときに、誰がどんな使い方をしているだろうと考えました。
言い換えるなら、この商品を、この人に、こういう使い方を“してほしい”と
願望の意味も込めていました。
<30代男性の一人暮らし、料理好き、シンプルな空間>
このようなターゲット予想で書くと、実際の生活感が想像できます。
目的を明確にすると書きましたが、加えるなら、「イメージ化」です。
その男性が、実際に使っている様子をしっかり思い浮かべます。
面白いことに、どんどん派生して考えられる頭の回路になります。
ワゴンの上に料理なら何を置くか、
家電を置くかもしれない、
食器をたくさん置くかもかもしれない。
そもそも料理以外に使うかもしれない。
作業台というワードを加えると、キッチン以外の場面も想像してもらえるかも。
などなど、イメージ化からの派生はどこまでも広げられます。
広げすぎはダメです。
無駄なキーワードを入れすぎて、ターゲット、目的から外れます。
必要な言葉を抜粋するセンスも必要になってきますね。
言葉は、常に情報収集が大切。
家具なら雑誌などを見て、言い回しや、専門用語、ジャンルなどの伝え方などを
集めておくといいと思います。身の回りに関わることからがおすすめです。
少し話が逸れましたが、この本を完読するにあたって、先程のようにイメージ化をする。
意識して取り組めると、尚良しです。
僕にしか実感はないですが、
文章、明らかに変化しました。
悔しいけど、嬉しいです。
悔しいけど、この本は今後も読み返します。
悔しいけど、最高の本です。
完読した際に、一つの結論が出ました。
「仕事の成果を上げたい方は、必読すべき本」です。
文章がうまくなる教本ではありますが、
同時に、仕事の成果を上げる“きっかけ作り“も教えてくれます。
本のタイトルを見て、僕は、私は、大丈夫と思うかもしれません。
というより、“思いたい”かもしれません。
本を読んでみようと思ったなら、
本当に今のままで大丈夫か、自分を疑い、理解することからやってみてほしいです。
そして、僕がこれから上達していくには、意識する、文章を書く、これをやめないことです。
ローマは一日して成らず、意識と行動の反復が大切です。