
今日は、私がずっと憧れていた「松本民芸家具」の名作椅子のひとつ、「ラッシチェア」についてご紹介します。手仕事の魅力が詰まった一脚で、椅子好きはもちろん、暮らしを丁寧に楽しみたい方にもぜひ知ってほしい家具です。

松本民芸家具とは?
まずは「松本民芸家具」について少し。松本民芸家具は、長野県松本市に本拠を構える老舗の家具メーカー。創業は1948年(昭和23年)。柳宗悦をはじめとする「民藝運動」の思想に影響を受け、日本の風土と職人の手仕事を大切にした家具づくりを続けています。その特徴は、堅牢で実用的でありながら、美しさを兼ね備えたデザイン。また、使い続けるほどに味わいが深まる「用の美」に満ちており、まさに「一生もの」の家具です。
ラッシチェアとは?
“ラッシ”とは?
「ラッシチェア」の“ラッシ”とは、ラッシュ(Rush)=イグサの編み込み座面のこと。座面にイグサを手で編み込み、十字に交差させた特徴的なスタイルは、イギリスの伝統的なウィンザーチェアにも通じる意匠です。
松本民芸家具のラッシチェアは、日本の民藝と西洋の伝統が融合した独自のデザイン。軽やかでどこか懐かしく、そしてどこかモダンでもあります。
デザインの魅力
ラッシチェアの魅力は、なんといっても素朴でありながら洗練された佇まい。
- 背もたれは緩やかにカーブしていて、背中にやさしくフィット。
- 脚部や貫(ぬき)はしっかりとした作りで、耐久性も抜群。
- イグサの編み座は、通気性がよく、夏でも快適。
- 素材は主に国産のクリ材やミズメザクラ。無垢材の質感が美しい。
また、使い込むほどにイグサの色合いが深まり、木部も艶を増していくので、時を重ねることで“育てる楽しさ”もある家具です。
座り心地は?
実際に座ってみると……「あ、これずっと座っていられるかも」という感覚。
イグサの座面はほどよく沈み込み、適度な反発があります。長時間の読書や食事にも快適で、自然と姿勢も整います。しかも、イグサは湿気を吸ったり吐いたりする「呼吸する素材」なので、夏は蒸れにくく、冬は冷たくなりすぎない。四季のある日本の暮らしに、まさにぴったりです。
まとめ
ラッシチェアは、見た目の美しさ、手触り、座り心地、すべてが計算された「用の美」の体現。
暮らしの中にこうした「本物の家具」がひとつあるだけで、部屋の空気がガラリと変わります。これから長く使い続けたい椅子を探している方、民藝や日本の手仕事に興味がある方には、心からおすすめできる逸品です。是非キミドリ東京で手仕事とぬくもりを感じる1脚に出会ってみませんか?