こんにちは。今日は、機能性と美しさを兼ね備えたイタリアンデザインの名作「ボビーワゴン(Boby Wagon)」についてご紹介します。

このワゴン、一見するとただの収納ボックス。でも実は、1970年代のイタリアンデザインを語るうえで絶対に外せない存在なのです。なぜなら、単なる“家具”ではなく、「生活をどう変えるか」という視点で生まれたプロダクトだから。今回は、その誕生の裏側や、デザイナーの想い、そして現代の私たちの暮らしにどうフィットするかについて深掘りしていきます。


■ デザインは“自由人”ジョエ・コロンボ(Joe Colombo)

ボビーワゴンのデザインを手掛けたのは、イタリア・ミラノ出身のデザイナー、ジョエ・コロンボ(Joe Colombo)。1960〜70年代に活躍し、「未来的で、モジュール化された生活空間」を提案し続けた前衛的なデザイナーです。
彼の作品の特徴は、とにかく“動く”“変わる”“適応する”こと。家具を固定されたものとして扱うのではなく、ユーザーのライフスタイルに合わせて変形・可動するものとして捉えていました。
コロンボ自身、もともとは画家や舞台美術家を目指していた異色の経歴を持ち、家具デザインの世界に入ったのは30歳を過ぎてから。芸術と機能の融合を目指す彼の姿勢は、まさにボビーワゴンに象徴されているのです。


■ 誕生の背景:「整理整頓できる自由空間を」

1970年、オフィスや美容室、病院などで使える多機能ワゴンとしてボビーワゴンは誕生しました。

コロンボは、日常生活の中で「モノをどこに置いたらいいかわからない」「整理が面倒」という悩みに着目。そこから、回転式トレイやスライド式収納を備えた、自在にアクセスできるワゴンというアイデアが生まれました。

特に注目すべきは、その360度どこからでも使える設計。引き出しは引っ張らずとも斜めにスライドし、工具・メイク用品・文房具など、あらゆるモノが美しく整理される。そのフォルムは、収納という目的を超え、「道具の一部」として生活空間に溶け込む存在なのです。


■ B-LINEが引き継いだ名作

もともとボビーワゴンは、イタリアのプラスティモ社(Bieffeplast)から販売されていましたが、後に生産が中止。しかし、この名作を復刻したのが、1999年創業のイタリア家具ブランドB-LINE(ビーライン)です。
B-LINEは「過去のアイコンを未来へつなぐ」という理念のもと、コロンボのオリジナル設計を忠実に再現しながらも、現代的なカラーバリエーションや素材改良を施し、より現代の生活に合った形でボビーワゴンをよみがえらせました。
現在では、MoMA(ニューヨーク近代美術館)やポンピドゥー・センターなど、世界の名だたる美術館に永久収蔵されるなど、デザイン史に名を刻むプロダクトとなっています。


■ 現代の生活にフィットする理由

◎ オフィス・自宅兼用の“ワークハブ”として

在宅勤務が当たり前になった今、コンパクトで移動できる収納家具としての価値はさらに高まっています。PC周辺機器、配線、ノート、文具を一括収納し、必要なときにサッと引き寄せられる。ワークスペースの効率が一気に上がります。

◎ 美容・クラフト・趣味用ワゴンとして

ボビーワゴンは、美容師のワゴンとして使われるほど取り出しやすさと機能性に優れています。また、裁縫道具やDIYツール、レゴブロックなどを整理するのにも最適。トレイの深さや数を選べるので、使い方は無限大です。

◎ インテリアとしても映える

ポップなカラー(オレンジ、ホワイト、ブラック、レッドなど)も展開されており、まるでオブジェのようにインテリアのアクセントにも。機能と美が共存する、まさに“イタリアンデザインの神髄”です。


🌟私がボビーワゴンをお勧めする理由

ボビーワゴンは、単なる収納ワゴンではありません。生活者の視点から設計され、時代を超えて愛される「使う人の自由を尊重する家具」です。
ジョエ・コロンボの「住まいはもっと柔軟であるべきだ」という思想は、今なお新しく、私たちの暮らしに問いを投げかけてきます。
もしあなたが、「収納も、見た目も、妥協したくない」と思うなら、ボビーワゴンは最高のパートナーになること間違いなしです。