古道具店に行けば、販売されていることがたまにある。
遠い記憶の中の片隅あの頃は何も考えずに座っていた椅子だったが、インテリアを考えるようになってからは、可愛いと感じられるほど実は機能的で面白いアイテムということに気づいた。
図工椅子。そんな響きが懐かしいかもしれないが、正式には角椅子と呼ばれている。見たまんまだね。
なんの捻りもデザインもない質素さに、侘び寂びのような美意識というと大袈裟かもしれないが趣を感じずにはいられなかった。見た目は乾燥や色汚れ、彫刻刀でも当たったのか、打痕跡のような傷が無数についている。表面はザラザラとしているところ、ヤスリがあたりサラサラとしている部分があり、木肌はめちゃくちゃだ。整えようかとも考えたが、これも唯一無二な存在。そのまま使うことにした。
そもそもなぜこんなデザインなのか。考えたこともなかったけど、どう使うか思考しているうちに気になり始めた。片側側面だけに板が貼られ、よく見れば変なデザインだな〜と思う。
調べると色々な理由が出てくるがどれが正解とも言い難く、むしろどれも正解である。
椅子だというのに背もたれがないのは、実験などでもしものことがあった場合(机の下に収納し)すぐに逃れるためだったり、立ち作業の際に登っても安定した台として使えるためだったり、側面が板なのはノコギリを使う際に天板を安定させるために付けられたものだったりと確かにあれもこれも正しいと思えるような理由がいくつもあった。
取り敢えず、機能面をかなり重視してつくられた椅子であるという事だけはわかる。今でも学校で使われているのか?
欲しいと思い手に入れたものの、どうやって使おうか、これだ!という使い方が未だ見つからない。
2面もある天板も使い方次第。しかも高さの違う天板、最高で40cmというラウンジチェアやソファに合わせると程よい高さで且つコンパクトに扱えるサイズ。
ベスト・オブ・ベストなアイテムであるし、最高でないにして最良なモノには違いないなー。
横にすれば地べたに座って作業もできるし、家の中で環境を変えて作業ができることは地味に嬉しい利点。
花瓶などを飾るのは在り来たりだけど、結局それも良い。
元々整った形をしているので、モダンなインテリアに合わせてオイルを入れてみたり、塗ってみたりしても楽しそうだな〜。
そんなワクワクを考えながら取り敢えず地べたに置いていた本をそっと積み重ねた。
結局積み重ねてしまったが、、、
一旦ね。
クリエイティブな発想がもっとできないものか。