贈り物

こんにちは。
ライフスタイルギャラリーの本社で働いている人間(29)です。



ホワイト‐デー (和製語white day)
3月14日。
バレンタイン‐デーの1カ月後に、男性から女性へお返しを贈る日として、1980年菓子業界によって始められた。



「男だから~」なんて時代は終わったので、きちんとお返しをしてあげられる方がよっぽど魅力的に感じられる。
何なら世間が勝手に作った慣習ではあるが、お返しをする「ルール」と思ってしまえば、恥ずかしさも払拭して贈り物を渡せる良い機会である。
相場はお菓子であるが、お菓子を渡すという「ルール」はない。
小さなスツールをプレゼントしたって良いし、むしろその選択肢は、その瞬間に世界で生まれたアイデアの中でトップクラスに素敵な選択肢に違いない。
相手が欲しいものをあげるのもいいし、欲しいものを聞いてあげるのも良い。
サプライズこそが民主主義的正義ではない。



そう言いながら職場の女性たちには、男性陣一同から洋菓子の詰め合わせをプレゼントした。
最もつまらない選択で申し訳ないが、自分のポケットマネーから買うにはご褒美でないと買いにくいお店の詰め合わせにした。
もちろん、一様にみんなには喜んでもらえた。
贈り物ほど人間の人生経験を踏まえたセンスが如実に表れるものはないので、このセンスをしっかり磨きたいものである。



僕たちリユースの仕事でよくある話なのだが、「思い出の詰まったお品の買取依頼」が少しハードルの高い業務の一つにある。
僕たちは再販売する上で、需要や販売価格、販路を考慮して買取価格を決めている。
現在では需要がほとんどないものだって少なくはないので、言葉遣いには注意して対応させてもらうが、仕方のないこともある。
ただ一つだけお伝えできるとすれば、僕たちはあなたが使わなくなったものを、次に喜んで使ってくれる方にツナグ仕事をしている。
思い出とともに、世界のどこかでまだ息を吹き返してくれるかもしれない。
あなたの思い出の詰まった行き場のないモノを、プレゼントとして次の愛用していただける方に一緒に悩みながら選ぶ時間を共有できる世界線を想像するだけで、幸せを感じられる。
勿論、思い出とともに自分のそばに置いておく決断も、喜んで尊重させていただく。



僕も仕事を通して、個人のお客様や法人のお客様、多くの方と仕事をする機会があるが、最大のクライアントは「社内」にあると考えている。
同じ部署で一緒に働いてくれる方も、自分の企画に対して予算を与えてくれる方も、他部署ながらアドバイスをくれる方も、自分が仕事をする上で一番大切にしないといけない方たちで構成されているのが会社である。
考え方や働き方が違えど、ある程度同じ方向を向いて歩いたり走ったりする。
自分にとって一番大切にしないといけないものは、案外、内ポケットにあったりするものだ。



このコラムを週に一度投稿することによって、写真を撮る習慣をつけたいのだが、生憎新しい写真はほとんど撮影されていない。
文字ばかりのコラムになって申し訳ないが、来週は僕の見た世界を共有できるかもしれない。
このコラムが投稿される頃には、僕はもう一つのホワイトデーのお返しを渡している。
その日は何を撮るんだろうね。