チューバ、または テューバは、大型の低音金管楽器である。金管楽器の中では最も大きく、最も低い音域を担う。チューバはその音域によってテナー、バス、コントラバスの3種類に分類される。さらに、チューバはピストン式やロータリー式にまで分かれる。唇の振動によって生じた音を管体で共鳴させ朝顔(ベル)から放出するという基本構造は他の金管楽器と同様であるが、フレンチ・ホルン以上の全長を持つ管は長円状に幾重にも巻かれ、大型の朝顔は上部に開く。金属(主に真鍮)製の管は、迂回管や抜差し部分を除き、朝顔に向かって緩やかに広がる「円錐管」となっており、唄口を接続する「マウスパイプ」と呼ばれる部分は楽器の中程の高さに取り付けられる。音程を変えるための弁(バルブ)を持つが、これにはピストン式とロータリー式とがあり、その数は3つから7つまでと様々である。ピストン式の楽器には、楽器を構えた時に、弁が直立した(upright)状態になる「アップライト型」(通称「縦バス」)と、弁が横倒しになり楽器の前面で操作を行う「フロント・アクション」(front-action)とがある。ロータリー式の弁を備えた楽器は全て前面操作となり、また、基本構造は前面操作のピストン式であっても1つないしは2つの追加のロータリー式の弁を備えるものもある。迂回管部やマウスピース直後の下向きにU字状になった部分には結露水がたまりやすいため、水抜き用のバルブ機構や抜差し管を使い排出を行う。チューバ(tuba)の名称は、元々はラテン語で「管」の意味であり(英語のチューブと同源)、ローマ時代に用いられていた楽器の名称である。旧約聖書にも表れるこの呼称はいわゆる「ラッパ」を指すもので、管楽器の名称としてしばしば使われていたため、19世紀に入って登場した低音金管楽器の名称としても使われるようになった。また、19世紀の半ば頃には、他に「シュドロフォン」などと呼ばれる低音金管楽器もまた存在したが、やがてこれらの呼称は廃れ、「チューバ」の呼称が一般的になっていった。19世紀中頃には、「f」や「d」字型など、チューバの形状は様々であったが、アドルフ・サックスによって一連のサクソルンがまとめられて以降、この楽器群に見られる長円型へと次第に収束していった。今日では、低音域での豊かな音量を求め、全般的に大型化の傾向が見られる。

※情報はWikipediaより抜粋