オーボエ、または オーボー、オーボワは、木管楽器の一種であり、ダブルリードで発音する円錐管の楽器(複簧管楽器)である。原義はフランス語のhautbois(高い木)で、「高音(または大音量)の木管楽器」であるとされる。古代ギリシアの伝説においてマルシュアスが吹いたとされる縦笛アウロスがダブルリードの楽器であったと考えられているが、オーボエの直接の前身は、軍隊などが戸外で使用していたショームであり、これが木管楽器製作者のオトテール一族によって室内音楽用に改良され、17世紀頃オーボエとして誕生したと言われている。しかし、アムステルダムの木管楽器製作家リチャード・ハッカの工房から、バロックオーボエ(ドイツ語版)とその前身のショームとの中間的な楽器が発見されていることから、オーボエの誕生にはハッカが関与したとする説もある。かつては弦楽器だけだったオーケストラに初めて入った管楽器であるが、バロック期のオーボエは、まだキーが2個から3個で、音域は中央ハから2オクターヴ上のニまでの約2オクターヴであった。当初は国ごと、地方ごとに独特のキーシステムが用いられていたが、現代のオーボエではコンセルヴァトワール式と呼ばれるものが一般的である。これは19世紀を通じてシステムの機械化を図ったトリエベール一族の貢献によるもので、現在のコンセルヴァトワール式はトリエベールの6型、現在でもイギリスを中心に用いられるサムプレート式はトリエベール第5型を基準としている。オクターヴキーの機構によってセミオートマチックとフルオートマチックがあり、セミオートマチックは第1オクターヴキーと第2オクターヴキーの切り替えの時点で第1オクターヴキーが自動的に閉じる機構になっている。フルオートマチックはこれに加えて第2オクターヴキーが自動的に開き、奏者による操作を必要としない。キーにはオープン式とカバー式とがあり、現在はカバー式(カバードキー)が多い。オーボエの場合カバードキーといってもキーの中央に穴が開いている。フルートではリングキーと呼ばれる部類に入るが、オーボエではこれをカバードキーと呼んでいる。オープン式の場合は、現代のクラリネットのようにリングのみのキーを用いている。主にドイツやロシアで用いられていたジャーマン式(ドイツ式)は、いまなおウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で使われており、ウィーン式と呼ばれるようになっている。

※情報はWikipediaより抜粋