
ヴァイオリンまたはバイオリンは、弦楽器の一種。ヴァイオリン属の高音楽器である。ヴァイオリン属に属する4つの楽器の中で最も小さく、最も高音域を出す楽器である。完全五度に調弦された弦を弓で擦って音を出す。基本的には4弦であるが、低音域に弦を足した5弦、6弦以上の楽器も存在する。擦弦楽器に属する。「Vn」「Vl」と略記されることもある。全長は約60 cm、胴部の長さはおよそ35 cm、重量は楽器にもよるが 300 - 600 gほどである。木材で作られており、表板にはスプルース、裏板・側板などにはメイプルが一般に用いられる。表板・裏板とも、2枚の板を木目が揃うように接着して使用する。指板には黒檀がよく使われる。裏板・側板は通常柾目材を用い、「杢」が出ている材を使用することも多い。経年の歪みを防ぐため、予め長期間天然乾燥されるが、現在では乾燥釜をつかった強制乾燥によるKW材(Kiln Dry Wood)を使用する場合も多い。ヴァイオリンの起源は、中東を中心にイスラム圏で広く使用された擦弦楽器であるラバーブにあると考えられている。ラバーブは中世中期にヨーロッパに伝えられ、レベックと呼ばれるようになった。やがてレベックは立てて弾くタイプのものと抱えて弾くタイプのものに分かれ、立てて弾くタイプのものはヴィオラ・ダ・ガンバからヴィオラ・ダ・ガンバ属に、抱えて弾くタイプのものはヴァイオリン属へと進化していった。世にヴァイオリンが登場したのは16世紀初頭と考えられている。現存する最古の楽器は16世紀後半のものだが、それ以前にも北イタリアをはじめヨーロッパ各地の絵画や文献にヴァイオリンが描写されている。レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿にもヴァイオリンに似た楽器の設計図が見られる。現存楽器の最初期の制作者としてはブレシアのガスパーロ・ディ・ベルトロッティ(通称ガスパーロ・ダ・サロ)、クレモナのアンドレア・アマティ、ガスパール・ティーフェンブルッカーが有名である。
※情報はWikipediaより抜粋